「特定保守製品」とは? 浴室乾燥機の点検・修理・交換の判断基準について

「特定保守製品」とは

●特定保守製品とは、「長時間の使用に伴い生じる劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、一般消費者の生命または身体に対して重大な危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品であって、使用状況からみてその適切な保守を促進することが適当なもの」として政令で定められた製品です。
該当の製品の設計標準使用期間は約10年です。
設計標準使用期間を超えてご使用された場合、部品等の経年劣化に よる発火・けが等の重大事故にいたるおそれがあります。
●製品を安全にお使いいただくために、製品に表示された点検期間内に、法律で定められた点検を受けていただくことをおすすめしています。(※点検は有償)
●点検をお受けいただくために、必ず所有者登録をおこなってください。
所有者は、メーカーが指定する方法 により所有者情報を登録してください。 また、転居による住所変更や所有者(入居者)が変更になるなどにより所有者情報内容に変更が生じた場合もご連絡をしてください。(連絡をいただけな い場合、点検案内通知が届かない場合があります。) ※所有者情報の変更のご連絡は消安法第32条の8第2 項に基づく責務です。
所有者登録をしていただきますと、点検をお受けいただく時期(設置から8年半~11年半)にメーカーから点検のご案内を送付いたします。
●点検期間の表示について
特定保守製品には、所有者票と機器本体に特定保守製品・型式・特定製造事業者等名・製造年月・ 製造番号・設計標準使用期間・問い合わせ連絡先を表示することになっています。 所有者票及び各部の名称を参照して機器本体に表示されていますので確認ください。

10年点検依頼書(往復ハガキ形式)見本

特定保守製品に該当する家庭用機器について

平成21年(2009年)4月1日に制定された本制度は、該当の9品目の製造又は輸入事業者に加えて、小売販売事業者、不動産販売事業者、建築事業者、ガス・電気・石油供給 事業者などの事業者、さらには消費者等、それぞれが適切に役割を果たして経年劣化による事故を防止するための制度です。

※参照:経済産業省HP https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/shouan/07kaisei.html

では、特定保守製品に定められた製品とはどんなものなのでしょうか。下記はその一覧になります。

①浴室用電気乾燥機・②③屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用、LPガス用)・④⑤屋内式ガスふろがま(都市ガス用、LPガス用)・⑥石油給湯機・⑦石油ふろがま・⑧密閉燃焼式石油温風暖房機・⑨ビルトイン式電気食器洗機

①浴室用電気乾燥機

②③屋内式ガス瞬間湯沸器(②都市ガス用、③LPガス用)

④⑤屋内式ガスふろがま(④都市ガス用、⑤LPガス用)

⑥石油給湯機

⑦石油ふろがま

⑧密閉燃焼式石油温風暖房機

⑨ビルトイン式電気食器洗機

 

 

※画像:経済産業省HPより

対象になる浴室暖房乾燥機について

今回は、該当の9品目のうちの「浴室用電気乾燥機」について具体的に見ていきたいと思います。まず対象になる機種は下記の条件となりますので、例えば「ガス式」の浴室乾燥機は対象外ということです。

・電気式であること

・浴室用であること

・乾燥機能がついていること

具体的には、電気式浴室乾燥暖房機の専門製造メーカーである「高須産業㈱」の製品では主に下記の機種が特定保守製品となります。(乾燥機能のない機種は対象外)

■天井用 グラファイトヒータータイプ 浴室換気乾燥暖房機 BF-261RGA

https://www.yokusitudanbou.com/fs/sumiiku/BF-261RGA

■壁用 グラファイトヒータータイプ 浴室換気乾燥暖房機 BF-861RGA

https://www.yokusitudanbou.com/fs/sumiiku/BF-861RGA

■天井用 温風タイプ 浴室換気乾燥暖房機 BF-231SHA

https://www.yokusitudanbou.com/fs/sumiiku/BF-231SHA

上記の該当機種はもちろん乾燥機能付きですが、浴室での乾燥とは「暖房しながら同時に換気する」機能を指しますので、必然的に対象の製品には暖房機能が付いていることも特徴となります。

では次に、実際の登録から点検までの流れを見ていきます。

所有者情報のご登録から点検までの流れ

販売者から点検制度についての説明を受けてください。

所有者登録を致します。所有者登録 の方法に従い登録してください。

点検時期が来ましたら当社から点検の ご案内をいたします。

希望日時をご指定の上、当社点検受付 へお申込ください。

訪問日時の詳細等をご確認させていただきます。

点検の実施(有償)

所有者登録(必ず登録してください)

●所有者登録は、下記によるいずれかの方法で登録してください。
・所有者票(返信はがき)でのご登録
所有者票に所定事項をご記入のうえ、ミシン目で切り取って返信してください。
・インターネットでのご登録
https://www.takasu-tsk.comへアクセスし、「お客様登録」の画面案内にしたがって登録して ください。その際、お手元の所有者票の返信は不要です。
●所有者登録の情報に変更があった場合、この製品の製造事業者に変更の連絡をすることが求められています。
引越しなどで所有者情報に変更がありましたら、速やかに長期使用製品相談窓口 0120-775-191(無料)までご連絡ください。ご連絡いただかない場合、法定点検やリコール等の製品安全に関するお知らせが正しく届かないことがあります。
●登録いただいたお客さま情報は、消安法、個人情報保護法及び当社規定により適切な安全対策のもとに管理し、法定点検、任意点検、リコール等の製品安全に関するお知らせをする場合以外には使用致しません。

浴室乾燥暖房機の寿命について

ここまでは特定保守製品の概要や点検の流れについて説明してきましたが、では実際に点検のお知らせのハガキが到着した場合、点検をするのか、それとも交換した方が良いのか…。現実的な判断基準がどこにあるのかを考えてみます。

浴室暖房乾燥機の寿命は約10年

前述の特定保守製品の説明の際にもご案内済ですが、点検のお知らせが届くのは設置から8年半~11年半の間。つまり、多くの場合はメーカーがうたっている設計標準使用期間の約10年のタイミングで有償点検のお知らせが来るということです。

使用期間が終わろうとしている時にお金をかけて点検するとなると、その際に「修理」や「交換」の必要性を提示され、さらに費用がかかる結果になるのでは…と尻込みしてしまいそうですね…。

ただ、特定保守の制度施行の目的に立ち戻ると「経年劣化に伴う使用上の危険の回避」ということですから、まずはご自身で現在の機械の状態を確かめて、少しでも不安な要素があれば「点検」「修理」「交換」などを検討する必要があると思います。

選択肢の中では、できれば「修理」をしてなるべく長く使いたい&費用を抑えたい…という方が多数なのではないでしょうか。

10年以上経った製品が修理できる可能性について

では修理の可能性は…? 残念ながら、製造から10年以上経った製品の修理はほとんどの場合不可能です

理由は、メーカーでの各種部品の保持期間は「製造終了後6年間」とされているためです。各メーカーでは2~3年ごとにリニューアルのために新製品が開発されていますので、製造から3年プラス6年=9年程度がご自宅に設置されている製品の部品がメーカーにあり、尚且つ修理ができるかもしれない期限、ということになります。

特に「モーターの音がうるさい」「洗濯物が乾きにくい」などの症状がすでに出ている状態で特定保守の有償点検をしてもらっても修理はほぼできませんので、初めから「交換」を検討することをおすすめします。

また、経年劣化の症状が気になっている場合は、点検の依頼をする前に直接メーカーに連絡して現在の症状を伝えた上で「修理ができるのかどうか」を確認するのも良い方法だと思います。

こんな症状があったら交換のサイン

特定保守点検のハガキがきている方で、下記のうちひとつでも該当していたら修理ではなく交換のタイミングです。

☑ 異音がする

☑ 電源が入らない時がある

☑ 風量が少ない・弱い

☑ 換気しているのに浴室にカビが発生する

☑ 暖房してもあまり暖かくならない

☑ 衣類乾燥に時間がかかるようになってきた

まとめ

今までの内容で「点検は無駄・交換すべし」という風に感じている方がもしいたら少し心配なので、最後に整理します。

特定保守の点検のお知らせハガキが届いた方のうち経年劣化はまったく感じられない」という方は是非点検の依頼をしていただけたらと思います。やはり10年程度経っている製品なので、念のためにメーカーに点検してもらうことは今後も継続して使用するための更なる安心に繋がるはずです。

一方、少しでも経年劣化が気になる」という方は、修理という選択肢がほぼないので、やはり点検ではなく交換することをおすすめします。もちろん、交換の前にメーカーに点検してもらうことは「劣化原因の確認」という点では大いに意味があります。そこに費用をかけるかどうかは各々の判断ということになると思います。

下記の記事では、より具体的に交換の方法などをご紹介していますので、是非参考にしてみてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

浴室乾燥機の寿命について。交換ポイントや交換する際にチェックすることをお伝えします。