ユニットバスでなくても浴室換気乾燥暖房機は付けられる!

すみーく内田

こんにちは。浴室環境アドバイザーの内田です。

よくあるご質問の1つに

「うちはタイル張りの古い浴室なんですが、それでも浴室暖房は付けられますか?」

というものがあります。浴室暖房機はマンションや新築の戸建ての「ユニットバス」にしか付かないというイメージがあるのだろうな、ということと、中には昔風のお風呂には暖房機なんて付かないと諦めていた…という方も。

これは私の想像ですが、ネットで「浴室暖房」と検索すると、出てくる機種は「天井型」がほとんどで、ましてその画像を見ると必ずと言っていいほど「ユニットバス」の画像なので、浴室暖房とはユニットバスの天井に付けるもの!と勘違いしてしまわれる方が多いのでは、と思っています。

今回は設置例も交えて、浴室暖房機はいろいろなタイプの浴室に取り付けられる!ということをご紹介します。

ユニットバスばかりではない!浴室の環境

浴室換気乾燥暖房機を取り付ける前に、浴室の壁や天井にはどんな素材があるのか見ていきます。

樹脂・FRP繊維強化プラスチック(ユニットバス)

 

「ユニットバスとは、工場などで予め防水性の高い素材を用いて天井・浴槽・床・壁などを成型しておき、現場に搬入した後にそれらを組み立てる浴室のことである。」

※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

浴室内にトイレも付いている「3点ユニット」のみがユニットバスなのではなく、トイレがなくても樹脂製(一部ホーロー製)でできている組み立て式の浴室を総称してユニットバスもしくはシステムバスといいます。

マンションや新築戸建ての浴室に採用されることが多く、日本ではもっともポピュラーなタイプです。

換気扇は天井タイプ・壁面タイプ両方のケースがありますが、割合としては天井換気扇が多いと思います。

 

樹脂・FRP繊維強化プラスチック(ユニットバス)

 

タイル(在来工法浴室)

 

日本でユニットバスが登場する1963年以前の浴室で最も一般的だったのがタイル張り。現在でも既設・新築に関わらず戸建ての住宅では多く見られますが、壁面がタイル張りの場合でも天井材には軽量な樹脂材が使われているケースが多いようです。

換気扇や通気口は壁面についていることが多いと思います。

 

タイル(在来工法浴室)

 

塗装壁・コンクリート(在来工法浴室)

 

昭和の時代の代表的な在来工法で、腰高まではタイル張り、その上がモルタル塗りになっているというタイプの浴室が多く見られます。換気扇や通気口は壁面についていることが多いと思います。

また、デザイナーズマンションなどではコンクリート打ちっぱなしの壁や天井の浴室も見られます。

 

塗装壁・コンクリート(在来工法浴室)

 

木製・板張り(在来工法浴室)

 

ヒノキ風呂に代表され、浴槽以外に壁や天井にも木材を使用している場合が多いです。一般家庭以外には温泉宿などで多く見られます。

 

木製・板張り(在来工法浴室)

 

石板・大理石(在来工法浴室)

 

石を薄く板状に加工したものを壁や天井に貼ります。一般家庭では別荘などの広めの浴室に採用されることが比較的多く、温泉やホテルなどでは多く見られます。

 

石板・大理石(在来工法浴室)

 

 

ホーロー(ユニットバス)

 

「琺瑯(ほうろう)は、鉄、アルミニウムなどの金属材料表面にシリカ(二酸化ケイ素)を主成分とするガラス質の釉薬を高温で焼き付けたもの。難解な漢字のため「ホーロー」と表記されることが多い。英語では Enamel(エナメル)。」  ※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

汚れが付きにくいので浴室の材質として適しています。一部メーカーのユニットバスにホーロー製のものがあります。

ユニットバスにホーロー製

浴室暖房はユニットバスでないと付かない?

いえ。ユニットバスではない浴室にも、浴室暖房機は付けられます!

浴室暖房機が付くかどうかの条件は、天井もしくは壁面に「換気扇や通気口があること」で、なぜかというと多くの浴室暖房機には「換気」機能が付いているからです。換気では浴室内の空気を屋外に排出するので、その「排出経路」として換気扇や通気口の開口部が必要になります。

換気扇が壁面にあってもOKです!壁タイプの浴室暖房機がありますし、むしろ施工難易度は天井の方が高いので、壁換気扇の方が設置しやすい環境ともいえます。

そして「換気扇や通気口がない」「あっても物理的に利用できない」という場合でも、それに適合する機種がありますのでご安心ください!(※1)

 (※1)換気扇・通気口がない浴室にも設置可能!【 SDG-1200GBM 涼風暖房機 】 →詳しくはこちら

では次に、実際にタイル張りの浴室などに浴室暖房機を設置した例を見ていきましょう。(※自社事例)

ユニットバス以外の浴室に浴室暖房機を取り付けた例

タイル張り(在来工法浴室)

タイル張り(在来工法浴室)

タイル張りの浴室は換気扇が「壁」についていることが多いので、ご覧のように壁タイプの浴室暖房機を設置します。元々ついていた換気扇を外し、その開口部を利用して浴室暖房機を付けています。

タイルの目地にビスを打って固定するので、タイルが割れることもなくきれいに設置できています。

タイルの大きさによってビス打ちの位置は変わりますが、それを調整できるような設計になっています。

「後付け」を前提としているので施工性に優れた製品といえます。

 

塗装壁・コンクリート壁(在来工法浴室)

塗装壁・コンクリート壁(在来工法浴室)

こちらも在来工法浴室で、壁の換気扇もしくは通気口の部分に浴室暖房機を設置しています。

タイル壁と同じようにビス留めで固定しますが、コンクリートなど材質によっては専用の特殊ビスを使用します。

本当にどんな浴室でも設置OK? 設置ができないケースはありませんか?

残念ながら、安全上や施工上の問題で浴室暖房機をお取付けいただけない場合もあります。

木製・板張り(在来工法浴室)

申し訳ありません

浴室暖房機周辺の温度は非常に「高温」になりますが、特に冬場は停止後に急激に温度が下がります。

また、温風やヒーターで使用中は周辺が「乾燥」しますが、基本的には湯気や温度差による水滴や水蒸気で「高湿」な場所です。

浴室暖房機を使用すると「高温と低温」・「乾燥と高湿」を繰り返すことになりますので、天然素材である木材の場合は変形や反り、割れなどが起こる可能性があり、安全上の問題で設置することができません。

石板・大理石(在来工法浴室)

申し訳ありません

大理石や石も天然の材質です。硬度が高いので変形の心配はありませんが、1枚の石板の中でも地層や含有鉱物によって硬度が違ったり微小な空洞を含む場合があり、ビスを打った際にひび割れや粉砕の危険があるため、施工上の問題で設置することができません。

※補足となりますが、ホーローユニットバスの場合は基本的には設置が可能ですが、ガラス質素材なのでビスが打てない場合があるようです。まずはお申込みをいただき、工事の際に担当者が現状を確認の上で設置の判断をさせていただければ幸いです。

まとめ

浴室暖房機には天井型だけでなく、壁型もある

 

樹脂(ユニット)・タイル・モルタル・コンクリートなどの材質の浴室で設置が可能

 

換気扇・通気口など、排気のための開口部が天井または壁面にあれば設置が可能

 

換気扇・通気口がない場合でも、適合する機種がある(※1)

 (※1)換気扇・通気口がない浴室にも設置可能!【 SDG-1200GBM 涼風暖房機 】 →詳しくはこちら

ご自宅の浴室にはどんな浴室暖房機が設置できるのか、今すぐチェックしてみてください☺

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